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登校前の頭痛や腹痛——「転換性障害」について徹底解説!

掲載日:2025-05-01(木)

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こんな人にオススメ!

・学校に行く時間になると必ず頭痛や腹痛を訴えて学校に行けなくなってしまうお子さんを抱える親御さん

・原因不明の体調不良で困っているお子さんを持つ親御さん

学校に行く時間になると必ず子どもが頭痛や腹痛を起こしてしまう。病院に行っても身体的な異常は見られないというのに、吐き気や痛み、しびれなどの身体的症状、視覚、聴覚、嗅覚の異常などの感覚的な問題をよく訴えている。そんなお子さんを抱えて困っている親御さんは少なくないことでしょう。

もしかしたら、お子さんは「転換性障害」という病気かもしれません。今回は転換性障害について、症状や原因、親としての適切な接し方を詳しく解説していきます。

目次
  1. 転換性障害とは?

    1. どんな病気?

    2. 不登校や家庭不和の原因になることも

  2. 主な症状

    1. 運動障害

    2. 感覚障害

    3. 発作症状

  3. 主な原因

    1. 心理的要因

    2. 社会的要因

    3. 生物学的要因

    4. 別の病気が隠れていることも……

  4. 適切な接し方と親にできること

    1. 治療には時間がかかることを理解する

    2. 相談しやすい環境を作る

    3. 生活リズムを整える手伝いをする

  5. おわりに

転換性障害とは?

そもそも転換性障害とはどのような病気なのでしょうか。

どんな病気?

転換性障害とは、心理的なストレスが身体的な症状に現れる病気です。麻痺や感覚障害、けいれんなどの症状が突然現れることがあり、適切な心理療法や薬物療法が必要になります。

現時点では詳しいことはまだわかっていないようですが、心理的、社会的な耐え難いストレスに、無意識のうちに身体的な症状に変換することで対処しようとする心の防衛反応と考えられています。

また転換性障害は、学校がある日だけ、学校に行かなくてはならない時間だけ体調が悪くなったり、体が動かなくなったりと、一見仮病を使っているようにも見える症状がある病気です。実際は全く仮病などではありません。本人もストレスが原因で体調が悪くなっているという自覚がない場合が多く、体が言うことを聞かなくて困っているのです。

似た症状の病気に「起立性調節障害」がありますが、いずれにせよ心療内科や精神科を受診することで診断してもらえるので、よくわからず困っている方はお早めの受診をおすすめします。

不登校や家庭不和の原因になることも

身体的な症状が原因で、学校に行ったり授業を受けたりすることが難しくなり、不登校になるケースがよくあるようです。また、身体的な病気でないことから、家族の理解が得られず、「甘え」と捉えられてしまい、家庭不和の原因になることも。

本人は何か大きなストレスを抱えていて、苦しんでいるのです。単なる「甘え」として無理やり学校に行かせたり、「怠けている」と怒ったりすることで、症状が悪化する可能性もあります。最も近くにいる親御さんが病気を理解し、本人の苦しみに寄り添うことが必要になってくるのです。

主な症状

ここからは、転換性障害の症状について3種類に分けて挙げていきます。

運動障害

運動障害とは、体の一部の運動に支障が出ることを指します。転換性障害が原因で見られる運動障害は主に以下の5つです。もちろん、体が動かしづらくなるので、他の症状が出る可能性もあります。

手足の麻痺、脱力:突然手足に力が入らなくなる
歩行障害:歩行がふらついたり、不自然になったりする
嚥下困難:食べ物や飲み物、唾液を飲み込むのが難しくなる
発声障害:突然声が出なくなったり、声が嗄れ足りする
排尿困難:尿が出なくなる

感覚障害

感覚障害とは、主に人間の五感において何かしらの異常が起きていることを指します。

視覚障害:視野が狭まったり、ものが二重に見えたり、視力が低下したりする
聴覚異常:難聴や耳鳴りが起こる
嗅覚異常:臭いが分からなくなる
味覚異常:味が分からなくなる
痛み:頭痛、腹痛、背部痛など、様々な部位で様々な痛み方を感じたり、一方で痛みを感じなくなったりする
咽喉頭異常感:喉が詰まっているような感覚になる

発作症状

転換性障害の症状として、けいれん発作が挙げられます。けいれん発作とは、体の一部が硬直したり、ガクガクと震えたりする症状です。意識障害は伴わないことが多いようです。

主な原因

では、どのような原因から、転換性障害になってしまうのでしょうか。原因は主に3つに分類されます。

心理的要因

まず1つ目は「心理的要因」です。過去の過酷な経験の記憶が引き金になっていたり、家庭環境、友人関係などの対人関係のストレスが主な原因になっていたりします。

また、本人の性格に要因があることもあります。自己愛的なパーソナリティ、もしくは依存的なパーソナリティをもっている場合、なんらかの強いストレスがきっかけで身体的症状が現れる可能性があるようです。

いずれの場合も、カウンセリングなどの適切な対処が必要になってきます。

社会的要因

2つ目は「社会的要因」です。症状を踏まえて周囲がどのように対応するのか、ということです。家族や周囲の人間が過度に心配しすぎたり、同情を示しすぎたりすることで悪化する可能性があります。一方で、症状を無視したり、「甘え」「怠け」として否定したりすることによっても悪化します。

周りの対応として、決して否定することなく、過剰に反応することもなく、本人の意思に寄り添うことが必要になってくるのです。

生物学的要因

そして3つ目は「生物学的要因」です。まだ明らかになっていない部分も多いようですが、転換性障害の患者には脳の活動に特徴的な点があると報告されています。また、神経伝達物質の関与や遺伝的な要因も考えられていますが、明確な証拠は得られていないようです。

別の病気が隠れていることも……

転換性障害と診断されていても、実は別の体の病気が隠れているケースもあります。定期的に別の病気のチェックもするようにしましょう。病気は基本的に早期発見・早期治療が必要です。

適切な接し方と親にできること

ここまで、転換性障害について詳しく説明してきましたが、周囲の大人はどう対応すればいいのでしょうか。

この病気は、誤った接し方をすると、症状が悪化してしまう可能性もあります。そうならないためにも、身近な大人である親が本人にどう接すればいいのか、説明していきます。

治療には時間がかかることを理解する

転換性障害の治療は長期に渡ります。なかなか治らなくて、やっぱり甘えなのではないか、怠けているだけなのではないか、と疑心を抱く方もいらっしゃるようですが、本人も治す努力をしているはずです。治療には時間がかかるということを理解して、本人の苦しみを疑わないようにしましょう

相談しやすい環境を作る

次に、本人がストレスを感じていることについて相談しやすい環境を作ることが大切になってきます。心理的・社会的ストレスに適切に対処できるようになることが、病気を治すための近道です。そのためには、ストレスを1人で抱え込まないように、専門家や周囲の人に気軽に相談できるように、環境を整えてあげることが大事なのです。

1人で悩まなくていい、一緒に対処法を考えるよ、ということを普段から伝えるといいでしょう。ただ、悩み事を無理やり引き出すような聞き方はしないでください。前述しましたが、周囲の過剰な心配もストレスになり、症状の悪化につながることがあります。

生活リズムを整える手伝いをする

精神的なストレスを軽減する上で大切なのは、生活リズムを整えることです。不規則な生活は心身の負担を増大させます。

そこで、身近な大人が本人の生活リズムを整える手伝いをしてあげることが重要になってきます。毎日同じ時間に起きる、朝の日の光を浴びる、3食きちんと食べる、適度に運動をする、そして毎日同じ時間に寝る。無理やり起こしたり運動を強要したりするのは本人にとってストレスかもしれません。だから、本人の意思を尊重しつつ、どの部分を手伝ってあげるのか話し合いながら決めましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。子どもが身体的症状で苦しんでいる家庭の親御さんにとって、転換性障害という病気である可能性とその病気の詳しい説明、そして周囲の人間の適切な接し方について解説しました。少しでもお役に立てたのなら、幸いです。

ポイント!

・人間関係や過去の心の傷などが原因で、心理的ストレスが身体的な症状に現れるのが「転換性障害」

・主に運動障害、感覚障害、発作症状が見られる。

・治療は長期・多岐に渡る。

・本人の意思を尊重し、症状を否定しないようにする、相談できる環境を作る、生活リズムを整える手伝いをする、などの対応を周囲が取ることが大切。